金田一シリーズの事件ごとの感想動画。今回ピックアップするのは、コチラです!「二十面相」%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FLEIEOJ9VMBw%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E【1】作品のあらすじ金田一くんとまりんちゃんが今回任命されたプロジェクトは、池袋ハロウィンと江戸川乱歩展のコラボイベント。ドワンゴの担当者・船橋良介との打ち合わせを経て迎えたイベント内覧会の前日、カメラマンや雑誌記者、インフルエンサーなど個性豊かな関係者たちも池袋のミクサライブに訪れていました。そこで金田一くんたちが気づいたのが、イベント設営側の意図しない演出を仄めかしてくる「二十面相」の存在です。果たして二十面相を名乗る人物と、「日本のバンクシー」と呼ばれる天才空間プロデューサー・亜良木豪との関係とは何なのでしょうか。閉ざされた空間で巻き起こるこの事件は、金田一くんにとって新たな敵の存在を感じさせるものでもありました。【2】事件の主なポイント(ポイント1)双眼鏡でのぞいた部屋第1の事件は、参加者たちが順路に従って会場を進み始めた、まさにその直後に起こりました。乱歩の「赤い部屋」に見立てた部屋の中を双眼鏡でのぞいてみると、そこには誰も座っていない椅子のほか、机なども置かれていました。やがて少し進んで、今度は別の角度から設けられている双眼鏡でのぞくと、イベントの一部として準備されていた人形が見えるほか、その奥には――。なんと、先ほどまで金田一くんたちと行動を共にしていた人物が、意外な姿で現れたのです。急いで建物から脱出しようと出口に向かうものの、そこにはすでに二十面相の手が及んでいて、会場の建物が丸ごと「閉ざされた空間」となってしまっていました。第1の事件のポイントとしては、まず現場を直接肉眼で見たわけではなく「双眼鏡を通して見た」ということ、そして「2回それぞれ別のアングルからのぞいた」ということです。このようなのぞき方をすることに、犯人にとってどんなメリットがあったのでしょうか。(ポイント2)密室で起こった見立て事件第2の事件は、地下の非常口へ向かっていた最中に起こっていました。脱出のために地下の非常口を使おうとした金田一くんたちは、地下に降りると、そこにオーケストラの音楽と、見惚れてしまうほど幻想的な雰囲気のプールを目にしました。そこで金田一くんが見つけた二十面相のメッセージカードに書かれていたキーワードは「透明怪人」という名前でした。その時、金田一くんはふと「人数が1人足りない」ということに気づきます。金田一くんとまりんちゃんがイベント会場に入って最初に目にした透明怪人のエリアに戻ってみると、そこでは参加者たちを分断するための、二十面相による「ある仕掛け」が施されていました。そして、透明怪人エリアでの二十面相のメッセージカードが示していた場所「乱歩の蔵」で、「D坂(ディーざか)」の事件に見立てられた第2の事件が発生していたのです。密室事件のように見えるこの第2の事件のポイントは、まず、乱歩の蔵を出てすぐのエリアが開けており、入り口付近にいる人物をある程度の距離からでも認識できたこと。そしてもう1つは、乱歩の蔵の扉が二重構造になっていたことです。鍵を開けて開いた扉の先には、横に引いて開けるタイプの戸があり、それらを開けることで蔵の内部が見られるようになっていました。第2の事件の重要アイテムは、壁にかけられていたタペストリーでした。乱歩の蔵の他の壁掛けアイテムはきっちりと固定されていたのに、金田一くんとまりんちゃんが発見した、裏が真っ黒のタペストリーだけが壁から剥がれ落ちていたのです。なぜ、このような状況になっていたのでしょうか。このタペストリーの本当の意味がわかった時、金田一くんは少し前から抱いていた違和感の正体に気づいたようでした。(ポイント3)狙われ続ける最後の標的第3の事件の舞台は、脱出のための新たなルートを探す中でたどり着いた最上階――「鏡地獄の間」。金田一くんたちは、屋上へと続く経路を求めてこの場所にやってきました。吹き抜けのように広がる空間には、コンクリートの壁から突き出すように金属製のハシゴが設置されており、その先に希望の出口があるかもしれない――そんな期待が一瞬、場を包みました。しかし、その時でした。緊迫した空気の中で、「ある人物」が名乗りを挙げたのです。ところが――この名乗りこそ、まさに犯人・二十面相の意図した通りの出来事だったのです。その瞬間を皮切りに、二十面相は次々と巧妙な罠を展開し、まるで執拗に“ある一人”を狙うかのように仕掛けを発動させていきました。なぜ犯人は、たった1人の人物を狙うために、これほど多くの仕掛けを設けていたのでしょうか?【3】事件のキーパーソン二十面相の事件において、キーパーソンを一人挙げるなら――魚森流菜子(うおもり・るなこ)でしょう。この事件の登場人物たちは、金田一くんやまりんちゃんと一緒に行動していた時間、そして別行動をとっていた時間の長さが、全体的に見てもそれほど大きく違いません。そのため、「あの場にいたから怪しい」「いなかったから怪しい」といった消去法的な推理は、どの人物にも当てはまらないように思えます。それでも金田一くんは、事件の中盤で“魚森の言動に違和感を覚えた”とはっきり述べています。つまり、彼女の行動や発言の中には、他の参加者とは明らかに異なる“何か”があったということ。では、その違和感の正体とは何だったのか?金田一くんの推理の過程をよく読み返してみると、魚森が発した「ほんの一言」や「小さな仕草」の中に、事件の真相へとつながる手がかりが潜んでいることに気づきます。もちろん、これだけで魚森=犯人と決めつけるのは早計。彼女の言動に潜む“違和感”こそが、むしろ犯人の仕掛けたトリックを見抜くヒントになっている可能性もあります。魚森流菜子という人物の視点から、もう一度事件全体を見直してみる――それがこの「二十面相の事件」をより深く楽しむための第一歩なのかもしれません。【4】まとめ(感想/残った謎/今後に繋がりそうな話)事件の前、金田一くんがフミちゃんと一緒に江戸川乱歩邸を下見に行くシーンがありました。時系列的には、これは『イブニング』で連載された一つ前の事件「あやせ」の直後にあたると考えられます。その際、前の事件から持ち越されていた「十二神ヘルメスの告白」というメモの内容を、フミちゃんは金田一くんに打ち明けられずにいました。探偵社に勤め、しかも金田一耕助の孫でもあるという責任感からか、彼女はその内容を自分の胸にしまっていたのです。この「十二神ヘルメスの告白」は、金田一37歳の事件簿において“オリンポス12神”という謎の組織に関わる重要な鍵になる可能性があり、今後フミちゃん自身がキーパーソンとして物語に大きく関わっていくことが予想されます。もっとも、このメモの具体的な中身はいまだ読者には一切明かされていません。連載順としては「あやせ」→「二十面相」→「金田一少年の事件簿30th」と続いたため、読者の記憶から少しずつ薄れていっているのも事実です。今後の事件でこの話題が再び注目される日を楽しみに待ちたいところです。二十面相の事件で気になったのは、金田一くんの女性キャラへの接し方に対する、まりんちゃんのリアクションでした。普段のまりんちゃんは金田一くんに対して「憧れ」や「恋愛感情に近いもの」を感じさせる反応を見せることがあります。実際、今回の事件でも金田一くんが女性キャラに少し“ええかっこしい”な態度を取る場面で、まりんちゃんが嫉妬めいた表情を見せていました。しかし一方で、乱歩展の会場に入った直後、キャスターの魚森流菜子(うおもり・るなこ)に対してキリッとした態度を見せた金田一くんに、まりんちゃんが冷ややかな視線を向けていた場面では、その矛先が“魚森ではなく金田一くん本人”に向いていたのが印象的でした。そして、ほかの事件と少しタイプが異なる第3の事件についても触れておきたいと思います。二十面相がメッセージカードを巧みに使って参加者を誘導し、心理的にも分断していく中で、各自がバラバラになりかけたその時、第3の事件が発生しました。ただしこれは、犯人にとっても想定外の出来事だったようです。ここにこそ、事件の核心を突く重要なポイントが隠されているのかもしれません。事件を振り返る中で、「犯人でなければ口にしないような発言」をしていた人物が少なくとも一人存在していたように思えます。第3の事件を検証する中で登場した2つのアイテム――細かい緑色のビニールのようなかけら、そしてホチキスでとめられた両面テープ。これらはそれぞれ、異なる事件の手がかりを示している可能性があります。もしその関連性が明らかになれば、犯人の正体に一歩近づけるかもしれません。また、この事件にとどまらず注目したいのが、イベント参加者・赤峰志堂(41歳)が口にした「パノラマ王国」というカルト集団の存在です。金田一くんたちの世界で十数年前に社会を騒がせたというこの組織は、すでに教祖が亡くなっています。しかし赤峰の言葉の中には、教祖と深い関わりを持っていた「ある人物」の名前が含まれていました。その人物と二十面相の事件の参加者の一部との間に、過去にどのような因縁があったのか――これは次の事件へと続く伏線なのかもしれません。さらに、カメラマンの葉狩京士郎(52歳)についても気になる点があります。事件中、彼の過去について語られることはほとんどありませんでしたが、今後のエピソードで新たな情報が明らかになる可能性があります。もし再登場があるとすれば、同じくマスコミ関係者で52歳のいつき陽介との接点が描かれる展開も考えられます。そして何より、二十面相の事件のラストはこれまでのシリーズでも異質なものでした。犯人が最後に取った行動も衝撃的でしたが、それ以上に、参加者の「ある人物」が迎えた結末にはゾッとさせられるものがありました。地獄の傀儡師・高遠遙一が関与していない事件で、ここまで恐怖を感じさせる展開になるとは――。この事件は、金田一シリーズの中でも特に異彩を放つエピソードとして記憶に残りそうです。