の金田一シリーズの事件ごとの感想動画。今回ピックアップするのは、「獄門塾」です。覆面をした英語の講師・赤尾一葉(あかお・いちよう)は何者なのか!? …まぁ金田一ファンの方なら即答かもしれませんね。高遠はこの事件で、明智警視だけを誘い出すような行動を取っていました。しかし、そこへ偶然のように金田一くんも現れて、まるで運命を感じているかのような描写がありました。明智警視しか呼ばなかったのは、何か特別な意図があったのでしょうか。この事件は、コミックス2冊を丸ごと使って描かれています。下巻のラストに短編が挟まれる形式ではなく、序盤でしっかりと情報が提示され、上巻のラストで「ジッチャンの名にかけて」のシーンが入り、下巻では現場検証と真相解明へと進む構成です。そのため、「次の被害者は誰だ?」と怯えるようなシーンはほとんど無く、テンポの異なる展開が特徴となっています。【1】作品のあらすじ放浪の旅で勉強が遅れていた金田一くんの学力向上のために、美雪ちゃんと草太くんが考えていたのは、金田一くんを塾に入れることでした。入塾先として選ばれたのが、不動山市の駅近にある、病院を改装して作られた獄門塾です。その獄門塾で、近々開かれる予定だった3日間の学問塾合宿。しかし、その直前に塾生の茂呂井連(もろい・れん)が変わり果てた姿で発見されるというショッキングな出来事が起こります。塾生たちは、かつて同級生に起こった「ある出来事」について、どうやらあまり触れてほしくない様子。そんな不穏な空気の中でも、獄門塾の合宿は脱出不可能な宿舎で強行されていくのでした。関連動画こちらは獄門塾殺人事件に関して「このような時系列で進行していたと考えられる」 という、読者視点での考察を述べていったものです。%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FGJiyeB5bFwU%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E【2】事件の主なポイント(ポイント1)徹底された持ち物管理第一の事件が合宿スケジュールに関連してくるとしたら、金田一くんが口にした「マジシャンズセレクト」というキーワードが重要になってきます。もしかすると、関係者たちは実は犯人の思うままに行動させられていたのではないか、と解釈できそうです。また、獄門塾では徹底された持ち物管理が行われていました。漫画やゲームの持ち込み禁止はまだしも、携帯電話や着替えまで没収されてしまいます。衣類は塾で用意された名札付きの体操着のような服のみで、しかも文系と理系で色が分けられていました。さらに衣服だけでなく、靴や筆記用具に至るまで厳重に管理されていたのです。もちろん、こうした管理体制は事件のトリックと深く関わっているのは言うまでもありません。問題は「どのようにトリックと結びついているのか」という点。犯人は細部にまで徹底的にこだわることで、むしろ大掛かりなトリックを成立させていたのではないかと感じました。(ポイント2)キッチリしたタイムスケジュール時間に厳格すぎるスケジュール管理と、1コマごとに移動させられる教室。本編では「マンネリ化を防ぐため」と説明されていますが、実際の理由はまったく別にあります。その理由に気づくと、食事の取り方――つまり食器や残飯を丸ごとダストシュートに捨てる仕組み――にも「あぁ、そういうことか」と納得できるはずです。また、ストーリー中には「○時○分、文系グループは××をした」「理系グループは△△をした」といったナレーション的な情報が、各コマで細かく提示されています。これらを“見える化”して整理していくと、真相に近づくことができます。結局のところ、この事件を解く鍵は――「いつ、どこで、誰が、何をしていたのか」を正確に時系列で振り返ること。そこから「もしかして、そういうこと?」という気づきにつながれば、他の細かい謎や違和感も一気に解消できるはずです。(ポイント3)小さな違和感を大切に!ストーリーの中で大切にしてほしいのは、「何かおかしいなぁ」という小さな違和感です。例えば、授業のシーンでの行動や、食事の場面での出来事など。細部に注目することで、事件の核心に近づけるかもしれません。この事件の真相は途中で「半分」だけ明かされます。しかし、それだけでは説明のつかない部分がまだ多く残されているのです。その全貌が明らかになるのは終盤の真相編であり、シリーズの中でも珍しい二段階構成の展開といえます。物語が進むにつれて、被害者が次々と巻き込まれていきますが、不思議なことに他の人たちに発見されないまま時間が過ぎていきます。なぜそんな展開が可能だったのか? 真相を知れば意外とシンプルに思えるのですが、何しろ講師も生徒も「授業中」という鉄壁のアリバイを互いに証明し合える状況にあるため、その壁をどう崩すのかが最大の見どころとなっています。やがて物語の後半に差しかかると、被害者たちが次々と発見され、「見立て」が進んでいたことが明らかになります。その中で、ある一人の現場で“おかしな行動”をしていた人物がいたのです。その人物は、前半で明かされる真相の一部に関わる存在なので大きな驚きではありませんが、実はそこが犯人のアリバイを崩す重要なヒントになっていました。ただし、漫画のコマでは少しわかりにくく、うっかり読み飛ばしてしまう可能性もあります。けれども、この細部に気づけるかどうかで、真相への近道が見えてくるのです。【3】事件のキーパーソンこの事件におけるキーパーソンは、鯨木大介(くじらぎ・だいすけ)です。先ほど触れたように、この事件の真相は途中で「半分だけ明らかになる」という珍しい展開をたどります。もしその展開がなければ、キーパーソンは海堂瞳(かいどう・ひとみ)だったかもしれません。しかし、物語の構造上、残り半分の真相を解明する上で重要な存在となったのは鯨木でした。彼の行動が物語の核心に大きく関わっているのです。そして、その行動をめぐって周囲のキャラクターたちがどう受け止めていたのか…。これ以上はぜひ本編で確かめていただきたいと思います。【4】まとめ(感想/残った謎/今後に繋がりそうな話)草太くんの親は弁護士で、本人は『金田一37歳の事件簿』では信用金庫の課長を務めています。本来は弁護士になるよう期待されていたのかもしれませんが、親の敷いたレールを歩きたくなかったのではないかと考えられます。今回の事件では、金田一くんが香港での出来事の後に何をしていたのか、その概要も明らかになりました。詳しくは本編を読んでいただきたいのですが、ズバリ高遠に関することで放浪の旅に出ていたのです。また、文系の太陽荘と理系の月光荘までの道のりについては、主任講師の氏家先生と副主任の厳島先生以外は知らない、とあるキャラクターが話していました。ただ、真相編まで読み返した印象として、この点はそこまで重要ではないのではないかと感じました。赤尾先生から示されたキーワード「スパロウ」が登場するのは、事件の真相が半分明らかになった後のタイミングでした。この点にも何らかの意味が込められているのかもしれません。さらに、この事件の動機に関わる重要人物として「藍野修治」という名前が登場します。ストーリー前半で明らかになった“半分の真相”と彼がどう関係しているのか。そして、残り半分の真相では藍野修治がどのように関わっているのかが次第に明らかになります。一方で、トリックとは関係ないと思われますが、厳島先生が錠剤のようなものを飲むシーンがあります。あれは何だったのか?単なるミスリードだったのでしょうか。動機の部分については、関係者たちの「人の心の弱さ」が大きく関係していました。詳しくは言えませんが、合宿前における犯人の藍野修治に関する行動は、強く責めきれない部分もあるように思えます。事件の流れとして見れば、この「獄門塾事件」は高遠復活の第二章の始まりとも言えるでしょう。今後の高遠の行方からも目が離せません。