%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FR9ipQ-fSoLA%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E「金田一少年の事件簿」「金田一37歳の事件簿」の事件を改めて読み返し、感想や気になったポイントを紹介するシリーズ。今回ピックアップするのは、「金田一少年の殺人」です。金田一シリーズで初めて、主人公の金田一一自身が殺人犯として疑われ、警察から追われることになるストーリー。1996年には、初代・金田一少年をKinKi Kids(現・DOMOTO:以下同)の堂本剛さんが演じたドラマ版が放送されました。そして2022年には、5代目・金田一少年をなにわ男子の道枝駿佑さんが演じるドラマ版で、26年ぶりとなるリメイクも放送されました。今回は、そんな「金田一少年の殺人」を改めて読み返してみて、印象に残ったポイントや、後のシリーズにつながりそうな部分についてまとめていきます。※この記事では、事件の真相に関するネタバレを含みます。あらすじいつき陽介と再会した金田一一。そこで持ちかけられたのが、著名なノンフィクション作家・橘五柳が執筆した原稿をめぐる話でした。橘が書いた原稿を出版する権利は、ある暗号ゲームを解いた人物に与えられるというのです。金田一の力を借りるため、いつきが彼を連れてきたのが、橘の誕生記念パーティーの会場でした。しかし、パーティーが始まろうとしたそのとき、橘から衝撃的な事実が明かされます。それは、原稿の中でパーティー参加者のうち1人について、その人物が行った「社会悪」が実名で明かされているということ。この原稿をめぐる暗号ゲームと、後に起こる殺人事件。そして、なぜか犯人として疑われてしまう金田一。果たして金田一は、自分自身の無実を証明することができるのでしょうか。事件の大きな特徴「金田一少年の殺人」は、それまでのシリーズとは大きく異なる作品です。これまで事件を追う側だった金田一が、今回は逆に警察から追われる立場になります。そのため、金田一自身が犯人として疑われる警察から逃げながら事件を調べる暗号を解きながら犯人に近づく自分の無実を自分自身で証明する美雪や剣持たちとの再会も重要になるという、かなり特殊な構成になっています。特に印象的なのは、「金田一が事件を解く」だけではなく、「金田一自身がどうやって無実を証明するのか」がストーリーの大きな軸になっているところです。事件の3つのポイント① 司会者の変更と暗号の謎今回の事件で重要なのが、橘が残した暗号文です。橘は暗号だけでなく、パーティーの参加者そのものも意図を持って選んでいました。その中でも特徴的なのが、誕生日パーティーの司会者です。当初は、金田一の世界では人気の落語家として知られる笑福亭春楽が司会を務める予定でした。ところが、橘たっての希望によって、あえて「有名とは言えない」桂横平が司会を務めることになります。なぜ橘は、司会者を変更したのか。実は、その理由も暗号と関係していました。この事件では、暗号そのものだけを見るのではなく、「なぜ、この人物がここに選ばれているのか?」という視点も重要だと思います。金田一の行動と事件発生のタイミング警察の追手から逃れるため、東京行きのトラックに飛び乗った金田一。そして、その行き先でも第2の事件が発生します。金田一は比較的早い段階で、橘の暗号の意味を理解していました。ところが、金田一が暗号の意味を理解して動き始めると、それにリンクするように事件が起こっていきます。第2、第3の事件では、金田一が暗号の該当者に話を聞く「何か言われませんでしたか?」と尋ねるその人物が答える金田一がその場にいる状態で事件が起こるそこへ警察がやってくるという流れが続きます。この絶妙すぎるタイミングには、どんな仕掛けがあったのか。そして、登場人物たちが「誰々に聞いて」とリレーのようにつないでいく中で、最後の「走者」にあたる人物が名乗り出てこないことに、金田一は違和感を覚えます。この事件は、「橘が原稿のありかを誰に教えたのか?」という視点だけでは、真相にたどり着けないのかもしれません。② プールでの違和感もう一つのポイントが、プールでの出来事です。ここでは、事件そのものだけを見るのではなく、登場人物それぞれの行動を細かく確認してみるのがおすすめです。例えば、誰がプールに入ったのか誰が入らなかったのか入らなかった場合、その理由は何なのか服装はどうなっているのか見た目に何か変化はないかといったところ。こういう細かな情報を拾っていくと、「あれ、この人、なんだか変じゃない?」と思える部分が出てきます。金田一シリーズでは、こうした何気ない描写が後から重要な意味を持つことがあります。③ 足跡をつけない脱出方法第1の事件は、橘のパーティー終了後に発生します。ここで重要になるのが、「足跡の数」です。事件前から雨が降っていたため、地面はぬかるみ、歩けば足跡が残る状況でした。ところが、この状況が逆に、「金田一が犯人である」ことを裏付ける証拠のように見えてしまいます。橘の部屋は離れにあり、入り口は一つ。その入り口には足跡が一つだけ残されている。そして部屋の中にいたのは金田一。これだけを見ると、どう考えても逃げ道がないように思えます。では、金田一はどうやって自分の無実を証明するのか。ここでポイントになるのが、使用人の菊さんへの内線電話です。このトリックは、金田一シリーズの読者の間でも特に印象に残っているトリックの一つではないでしょうか。事件のキーパーソンいつき陽介今回のキーパーソンは、やはりいつき陽介です。この事件では、これまであまり詳しく描かれていなかった、いつきの「人となり」もかなり掘り下げられています。例えば、ライターとして駆け出しだった頃花村姉妹との関係橘とのつながり金田一を守ろうとする姿勢などです。花村姉妹が菊さんに引き取られ、橘のもとで働くようになったのが5年前。金田一が12歳の時点から逆算すると、いつきは27歳だったことになります。その時点ですでにライターになりたてだったとすると、「それまでいつきさんは会社員などをしていたのだろうか?」という疑問も出てきます。金田一を守る、いつきの姿そして何より印象的なのが、橘のパーティー参加者たちが協力的に動いてくれた場面です。そこには、いつきが金田一をかばい、頭を下げてまで協力を求めたことが大きく関係しています。『悲恋湖伝説殺人事件』の頃の、やや荒っぽい印象のいつきから考えると、かなり意外な一面です。いつきが単なる「金田一の協力者」ではなく、人間関係を作り、周囲を動かす力を持った人物であることが分かる事件でもあります。読み返して感じたこと・感想/考察「ポケベル」が事件を動かす原作では、序盤からポケベルが非常に印象的に登場します。美雪が金田一のカバンに内緒で忍ばせていたり、金田一が逃走する展開の中でも重要なアイテムとして使われたりします。特に第1の事件の直後、連行される前に金田一が美雪のポケットへこっそりポケベルを入れておく場面があります。この行動が後半の展開にもつながってきます。そして、この事件にはポケベルを使った心温まる場面もあります。それが美雪の誕生日の夜。金田一がポケベルで美雪を呼び出します。ここから先は、ぜひ原作で読んでほしいところです。いつき+出版業界の人物という組み合わせ原作では、『悲恋湖伝説殺人事件』以来となる、いつき陽介の再登場。今回は、音羽出版の鴨下あきらを連れてきています。この、「いつきさん+出版業界の人物」という組み合わせをきっかけに事件が始まる展開は、この後も何度か描かれます。例えば、天草財宝伝説露西亜人形殺人事件など。少し違う形ではありますが、「蟻地獄壕殺人事件」の馬江田教授も、いつきの知り合いという点では近いところがあるかもしれません。37歳になった「いつき陽介」を知ったうえで読むと『金田一37歳の事件簿』では、いつき陽介が52歳になっていることが明かされます。そこから計算すると、『金田一少年の事件簿』の時代のいつきは32歳ということになります。それでも、8歳年上にあたる出版社社長の大村や、カメラマンの針生に対して対等に話している。特に針生に対してタメ口で話しているところなどを見ると、いつきのコミュニケーション能力の高さを感じます。年齢や立場だけで人間関係を決めるタイプではないのかもしれません。%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FzhO1iv_TbCI%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3Eいつきさんのマンション、かなり豪華では?個人的な感想ですが、いつきのマンションも結構気になります。当時32歳のフリーライター。それなのに、自分が座るソファだけでなく、お客さん用と思われるソファも複数ある。もちろん作品世界の設定なので、それ以上深く考える必要はないのですが、「当時32歳のフリーライターとしては、かなりいい部屋なのでは?」と思ってしまいました。軽井沢に行ったのは、美雪の誕生日の4日前原作では、事件の舞台となる軽井沢を訪れたのは、美雪の誕生日の4日前。落第寸前の金田一に、軽井沢でみっちり勉強を教えようとする美雪。一方で、美雪自身としては、金田一と一緒に過ごしたかった部分もあったのではないでしょうか。事件とは直接関係しませんが、2人の関係性を見るうえでは、かなり微笑ましいところです。橘は、なぜ金田一を知っていた?橘は、どこかの情報筋から金田一のことを知っていたようです。原作では、異人館ホテル四ノ倉学園の名前を挙げています。ここから、「まさか、この頃からすでに高遠が……?」と考えたくなる気持ちもあります。ただ、個人的には、ここは無理に高遠と結びつけるより、「出版関係者の人脈から金田一の噂を聞いていた」くらいに考えておくほうが自然なのかもしれません。2022年ドラマ版では、どう描かれたのか2022年のドラマ版では、26年ぶりに「金田一少年の殺人」がリメイクされました。原作で印象的だったのが、司会者の変更と桂横平という人物。ドラマ版では、原作とは異なる形で、この立場に近い要素を持つ人物として桂木優里奈が登場します。演じたのは、モデルのゆきぽよさん。原作を知っているからこそ、「この設定を2022年版ではどう置き換えるのか?」というところも楽しめる作品でした。佐木家の登場も、この事件から原作では、この事件から佐木竜二をはじめとする佐木家の人々が登場します。『異人館ホテル殺人事件』で兄の佐木竜太が亡くなり、竜二は父親の連太郎を手伝うために軽井沢へやってきていました。そして、父親・連太郎の登場の仕方もなかなか衝撃的です。ちなみに、この時の連太郎は「佐木映像」という事業所名の腕章をつけて撮影しています。一方、『金田一37歳の事件簿』で竜二が勤めているのは帝国映像。となると、「佐木映像はその後、事業をたたんだのか?」あるいは、「事業所名を帝国映像に変更し、竜二にも経営を経験させながら続けているのか?」など、佐木家のその後も気になってきます。花村葵と棗この事件では、双子の姉妹である花村葵と棗も登場します。妹の葵は、金田一にタオルを差し出す場面などから、比較的穏やかな印象。左目の目元にほくろがあるのも特徴です。一方、姉の棗は、葵とは対照的に少し強気な性格に見えます。双子だからこそ、2人の性格や見た目の違いにも注目して読むと面白いところです。長島警部との初対面この事件では、長野県警の長島警部と金田一が初めて対面します。ただ、この最初の出会いからして、長島警部は金田一に対してかなり厳しい態度。第1の事件の段階から、ほぼ金田一を犯人だと断定しているような口ぶりです。この事件をきっかけに、金田一と長島警部の関係は、あまり良好とは言えないものになっていきます。「剣持のオッサン」の反応も印象的橘の事件、そして金田一が犯人として追われていることは、やがて剣持のオッサンの耳にも入ります。このあたりの反応は、後の「金田一少年の決死行」にも似たところがあります。普段は金田一を信頼している剣持だからこそ、「金田一が犯人として追われている」という状況をどう受け止めるのか。この事件では、事件そのものだけではなく、金田一と周囲の人たちとの関係性も見どころになっています。金田一の「失敬する」描写金田一が自分の無実を証明するため、長島警部の懐から「あるもの」を失敬する場面もあります。初期の『金田一少年の事件簿』では、こうした金田一のちょっとした無茶な行動がたびたび描かれます。一方で、第2期以降や『金田一37歳の事件簿』では、こうした「失敬する」ような描写はあまり見られなくなった印象があります。時代の変化や、コンプライアンスへの意識なども関係しているのかもしれません。いつきのマンションに集まった4人金田一が追われている頃、いつきのマンションには、鴨下針生野中都築の4人が集まります。彼らが集めてきたのは、橘の周辺情報。それぞれから出てくるキーワードも印象的です。鴨下 → 医学界針生 → 密輸都築 → 大物警視投入そして、この「大物警視」とは、あの大物警視。すでに美雪の動向を把握し、そこから金田一を捕まえようとしていました。金田一にとっては、どんどん逃げ場がなくなっていく展開です。2022年版と「ポケベル」この事件では、途中で意外な人物も金田一と同じポケベルを持っていることが判明します。1990年代半ばに週刊少年マガジンで描かれた作品だからこそ、ポケベルが物語を動かす重要なアイテムになっています。一方、2022年のドラマ版では、当然ながら同じポケベルをそのまま使うわけにはいきません。だからこそ、「この部分を2022年版ではどう置き換えるのか?」というところにも注目したい作品です。1996年の堂本剛さん主演版とも違う形になるところが、リメイクの面白さでもあります。あえて現場検証は詳しく語らないこの事件については、動画の中で現場検証的な部分を少し割愛してもいいのではないかと思っています。理由は、「金田一がどうやって自分の無実を証明したのか?」だけではありません。「金田一が美雪や剣持のオッサンたちと、どうやって再会するのか?」という部分も、この事件の大きな見どころだからです。トリックだけを知るよりも、実際に原作を読んで、その再会まで含めて味わってほしい事件です。この事件の動機は「復讐」なのか?金田一シリーズでは「復讐」が動機になる事件も多いですが、この事件については、個人的には少し違う印象があります。強いて言えば、第1の事件には復讐の要素があります。ただ、事件全体を考えると、「復讐するため」というより、「大切なものを守るため」という見方のほうが近いのではないでしょうか。そう考えると、いつきが大きく関わった「天草財宝伝説」にも、少し似た要素を感じます。「大切なものを守るために、どこまで行動するのか」というテーマで見ると、この2つの事件を比較してみるのも面白いと思います。「社会悪」を記した出版物はどうなったのか?事件の結末について、あえて最小限に触れるなら、橘が実名で「社会悪」を記した出版物が、世間に公になることはありませんでした。この結末も、この事件を考えるうえでは重要なところです。そして、そこからさらに想像を広げるなら、「いつきさんが、ある女の子とその先の人生を歩む中で、この出来事をいつか明らかにしていくのではないか」という見方もできるのかもしれません。ここはあくまで想像ですが、いつき陽介という人物のその後を知っているからこそ、考えてみたくなる部分です。まとめ「金田一少年の殺人」は、シリーズの中でもかなり特殊な事件です。何より大きいのは、「金田一一が犯人として疑われ、逃亡しながら自分の無実を証明する」という構成。そのため、普段の事件とは違って、暗号をどう読み解くかなぜ事件が金田一の目の前で起きるのか足跡からどうやって無実を証明するのかプールでの違和感は何なのかいつき陽介がどのように金田一を支えるのか美雪や剣持のオッサンとどう再会するのかといったポイントが重要になっています。また、改めて読み返すと、ポケベル、佐木竜二、長島警部、いつき陽介の過去など、その後の金田一シリーズにつながっていく要素も数多く見つかります。そして2022年には、26年ぶりにドラマでもリメイクされた作品。1990年代の原作を読んだうえで2022年版を見ると、時代の変化によってどこが置き換えられ、どこが残されているのかを比較する楽しみもあります。「金田一少年の殺人」は、単純に「金田一が犯人にされる事件」というだけではなく、金田一自身の人間関係や、いつき陽介というキャラクターを深く知ることができる事件でもあると思います。%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FR9ipQ-fSoLA%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E