%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FpqoTCM8yMIA%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E「金田一少年の事件簿」「金田一37歳の事件簿」の事件を改めて読み返し、感想や気になったポイントを紹介するシリーズ。今回ピックアップするのは、「飛騨からくり屋敷殺人事件」です。原作コミックスの「飛騨からくり屋敷殺人事件」を改めて読み返し、事件の真相を詳しく明かすのではなく、ネタバレをできるだけ抑えながら、事件のポイントや気になったところ、読み返して感じたことを紹介していきます。※この記事では、事件の真相に関するネタバレを含みます。あらすじ金田一一たちが向かったのは、山奥にあるくちなし村。そこへ向かうことになったきっかけは、剣持のオッサンの幼馴染である巽紫乃から届いた手紙でした。夫を亡くした紫乃は、少し前から謎の脅迫状を受け取っていました。心配した剣持は、金田一や美雪を連れて村へ向かうことになります。金田一たちが乗ったバスには、巽家の使用人・桐山環のほか、顔を覆った謎の人物・赤沼三郎も乗っていました。赤沼は、桐山に「生首神社の場所」を尋ねるなど、最初からどこか怪しい雰囲気を漂わせています。そしてバス停で金田一たちを迎えに来たのが、巽家の使用人・仙田猿彦。金田一が「いつの間に来たんだ」と感じるほど、いつの間にか現れた印象のある猿彦に案内され、一行は紫乃が暮らす巽家の屋敷へ向かいます。そこで待っていたのは、「首狩り武者」を名乗る人物からの脅迫状。さらに、くちなし村では「生首祭り」が行われていました。巽家の先代当主・蔵之介の遺言によれば、祭りが終わる5日後には、養子である巽征丸が正式に次の当主となることになっています。そんな中、巽家に次々と事件が起こっていきます。事件の大きな特徴「飛騨からくり屋敷殺人事件」の特徴は、タイトルにもある通り、巽家の屋敷そのものが大きな謎になっていることです。屋敷には、武将が財宝を隠すために作ったとされる特殊な部屋や仕掛けが存在します。そして「首狩り武者」という伝説的な存在が、現実の事件と結びついていきます。また、屋敷の構造誰がいつ、どこにいたのか誰がどの情報を知っていたのか事件直前・直後の人物の行動「首狩り武者」の足跡登場人物同士の複雑な感情など、細かな情報を拾っていくことが重要な事件だと感じました。事件の3つのポイント① 覆面男と「合わせ扉の間」第1の事件は、金田一の部屋にかかってきたある電話をきっかけに発生します。舞台となるのは、巽家の中でも特殊な部屋である「合わせ扉の間」。叫び声を聞いた金田一たちが鍵を持って部屋へ入ると、そこに犯人の姿はありません。残されていたのは、第1の被害者の姿だけでした。その後の現場検証で判明するのが、合わせ扉の間の窓の格子が外れるということ。ただし、金田一自身の体格では、そこから脱出するのは難しい。逆に考えれば、「小柄な人物なら、このトリックを実行できるのでは?」という発想が出てきます。金田一も一度、ある人物の姿を思い浮かべます。しかし、ある理由から、「この人物にはトリックを使えない」と判断することになります。ここが、この事件を考えるうえで非常に面白いところです。「誰がいつ、どこにいたのか?」第1の事件について、ネタバレを抑えて話すのはかなり難しいところです。ただ、あえてポイントを挙げるなら、誰がいつ、どこにいたのかその情報を誰が知っているのか誰と誰の間で情報が共有されていたのかという点に注目してみると、「あれ?」と思う部分が出てくるのではないでしょうか。そして、この「合わせ扉の間」に宿泊することになったのが、赤沼三郎。首狩り武者を恐れる巽家に現れた赤沼は、自らこの部屋を指定します。空き部屋がほとんどない状況だったとはいえ、なぜわざわざこの部屋を選んだのでしょうか。合わせ扉の間に隠された仕掛け先代当主・蔵之介が亡くなってから空き部屋になっていた合わせ扉の間。もともとは武将が財宝を隠すために作った部屋だったようです。木の板による「どんでん返し」の向こうには、バーナーでも焼き切れないほど頑丈な、鍵付きの鉄の扉。そして窓は、標準的な体型の人物なら、首まで出せる程度の大きさ。この特殊な構造そのものが、事件のトリックを考えるうえで重要になっています。② 拐われた美雪ちゃんと現れた「首狩り武者」第2の事件は、桐山と一緒に金田一と美雪が祭りへ出かけたところから動き始めます。美雪が感じていた嫌な胸騒ぎ。その予感通り、甲冑姿の人物が並ぶ仮装行列の中に、怪しい人物が現れます。そして、美雪がさらわれてしまいます。金田一が状況を把握したとき、見上げた先にあったのは、冒頭で赤沼が口にしていた「生首神社」の鳥居。さらに、甲冑姿の人物が美雪を連れていくところを発見し、金田一は後を追います。しかし、一本道のはずの場所で、金田一は後ろから不意を突かれてしまいます。その後、金田一と美雪は第2の被害者を目にすることになります。そして巽家へ戻り、その出来事をみんなに伝えることに。第2の事件は「一本道」がポイント第2の事件も、詳しく話してしまうと真相にかなり近づいてしまいます。そのため、ここでは構造だけに注目したいと思います。個人的には、「墓場島」のあるトリック「雪霊伝説」のアリバイ構築に近い要素を感じました。もちろん、トリックそのものが同じという意味ではありません。「一本道なのに、どうやって?」そして、「犯人はどうやってアリバイを作った?」という視点で読むと面白い事件です。③ 剣持警部の推理、大ハズレ!?第3の事件では、短いながらも非常に印象に残る場面があります。それが、2日目の朝食で龍之介が銃を持っていたシーンです。紫乃が大慌てで部屋に入ってきたこともあり、すぐに騒動は収まります。しかし、改めて考えてみると、「このとき、誰が、何のために、どんな行動をしていたのか?」という点が気になります。この場面を丁寧に読み返すと、事件の真相に近づくヒントが隠れているようにも感じます。剣持のオッサンが先に「謎はすべて解けた」そして今回、かなり面白いのが、金田一より先に剣持のオッサンが「謎はすべて解けた」と言ってしまうこと。ところが、結果的にこの推理は外れてしまいます。面白いのは、剣持が犯人だと断定した人物と、少し前に金田一が「犯人として考えた人物」が同じこと。つまり、方向性そのものは大きく外れていなかった。それでも金田一がその人物を犯人だと断定しなかったのは、「その人物には、絶対にトリックを実行できない理由があったから」でした。ここは、「誰が怪しいか」だけではなく、「その人物に本当にトリックが可能なのか?」まで考えることが重要になります。事件のキーパーソン巽龍之介今回のキーパーソンとして挙げたいのが、巽家の長男・龍之介です。気性が荒く、次の当主として実権を握るためなら手段を選ばないような一面もあります。ただ、僕が個人的に注目したのは、「龍之介自身が誰に対してどんな思いを持っているか」だけではありません。むしろ、「龍之介に対して、周囲の人物がどんな思いを抱いていたのか」という部分です。この事件では、登場人物それぞれの龍之介に対する感情が、事件を考えるうえで重要になっているように感じます。ぜひ真相編の最後まで読んで、「龍之介に対して、誰がどんな思いを持っていたのか」という視点でも読み返してみてほしい事件です。読み返して感じたこと・感想/考察セリフ以外の「文字情報」が面白い「飛騨からくり屋敷」の隠れた特徴の一つが、登場人物が話しているセリフ以外の文字情報です。漫画のコマの中だけではなく、ちょっとした場所にツッコミや遊び心のある文字が入っています。例えば、蔵之介の遺言状が入った封筒には、「ゆいごんだよ~ん 巽♡」と書かれていたり。また、金田一が「ゴリラーマンみたい」と表現した刑事が驚く場面では、口の中に「うっそー」と書かれていたりします。さらに、金田一のある場面では、コマの枠の外から矢印付きで「ただのガキ」と書かれていることも。現場検証では剣持のオッサンに対して、「人のコト言えないじゃん」というツッコミまで入っています。こうした細かな遊び心は、事件の緊張感とは別の意味で、この作品の面白いところだと思います。「首狩り武者」の足跡が途中で消える巽家で不穏な空気が漂う中、金田一たちが訪れた日の夜。紫乃が薬を飲もうとしていたところ、襖の向こうに刀を振りかざした首狩り武者が現れます。その後の登場人物たちの反応もそれぞれですが、特に気になるのが、巽家の主治医・冬木倫太郎の母である冬木ウメ。彼女は何やら恐ろしい言い伝えを語ろうとします。ここで注目したいのが、廊下の途中で消えている首狩り武者のものと思われる足跡です。もし外へ逃げるつもりなら、わざわざ草履を脱いで足跡を途中で消す必要はありません。では、「なぜ、そこで足跡を消したのか?」この行動にはどんな意味があったのでしょうか。剣持のオッサンと紫乃の「幼馴染」が気になる個人的にかなり気になったのが、剣持のオッサンと巽紫乃の年齢差です。『金田一37歳の事件簿』では、紫乃が37歳、剣持が48歳とされており、11歳差。2人は「幼馴染」とされています。そこで、「一体、どこで知り合った幼馴染なんだろう?」という疑問が出てきます。大人になってから知り合ったのであれば、もちろん「幼馴染」という表現とは少し違います。仮に剣持が18歳だった時点で紫乃が7歳だったとすると、かなり年齢差があります。剣持が剣道をやっていたことを考えると、「同じ剣道教室に通っていたのでは?」などとも考えられます。さらに、ある場面では紫乃がセーラー服姿で、「剣持くん、一緒に帰ろう」と話しています。仮に紫乃が小学校高学年くらいだったとすると、剣持はすでにかなり年上。時系列を考えるほど、2人の関係性が気になってきます。剣持の年齢設定は、当初から同じだったのか?ここからさらに考えると、「そもそも『金田一少年の事件簿』初期の剣持のオッサンは、現在知られている年齢設定と同じだったのか?」という疑問にもつながります。『八咫烏村』の冒頭で金田一に見せていた若い頃の写真などと照らし合わせても、いろいろと考えてしまいます。なお、紫乃の息子・巽征丸については、剣持が征丸5歳の頃、つまり金田一が4歳だった頃に会ったことがあるとされています。このあたりも含めて時系列を整理すると、さらに面白いかもしれません。「オランウータンみたい」は偶然?余談ですが、第1の事件後のシーンにも、個人的に気になったところがあります。金田一が「ゴリラーマンみたい」と心の中で表現した刑事。その後ろには、「オランウータンみたい」と表現される刑事がいます。後に、この刑事の名前が森刑事だと分かります。そして「オランウータン」はマレー語で、orang=人hutan=森つまり「森の人」という意味。これは単なる偶然なのか、それとも名前との言葉遊びなのか。こういう細かいところまで拾ってしまうのも、漫画を読み返す楽しさだと思います。400年前の武将「柊兼春」の伝説ストーリーの中盤では、くちなし村の人々がなかなか明かそうとしなかった過去が、冬木倫太郎の口から語られます。それが、400年前の武将・柊兼春の存在。彼の亡霊が、くちなし村に不幸をもたらしているのか。村にはそんな伝説が残っています。そして、やがて巽家に村人たちが押しかけ、「村から出ていけ」と金田一たちに迫ります。村人からすれば、金田一たちが来てから巽家で事件が起こり、さらに祭りの最中には金田一や美雪までさらわれています。400年前の武将の亡霊を恐れている村人たちからすれば、金田一たちを不吉な存在だと考えてしまうのも無理はありません。ホテルで見つけた「屋敷の謎」金田一は村を出て、一度近くの町にあるホテルへ移ることになります。ところが、そのホテルの入り口で、金田一はついに真相へ近づく手がかりを見つけます。ここから、巽家の屋敷に隠されたトリックが見えてきます。この「屋敷そのものの構造」が、事件を考えるうえで大きな意味を持っていたことに気づくと、改めてタイトルの「からくり屋敷」という言葉が効いていると感じます。犯人を動かした「悪魔の囁き」最後に、この事件の動機について。犯人をここまでの行動に駆り立てたのは、過去のある人物との人間関係、いくつもの偶然、そして犯人自身が語る「悪魔の囁き」だったのではないでしょうか。不幸な境遇から這い上がろうとする中で、犯人側にも同情できる部分はあったと思います。だからといって、残された人たちの苦しみがなくなるわけではありません。この事件は、単純に「悪い人物がいて、その人物が事件を起こした」というだけではなく、「過去の出来事と人間関係が積み重なった結果、取り返しのつかないところまで進んでしまった事件」という印象が残りました。%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FawHplkkoN2o%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3Eまとめ「飛騨からくり屋敷殺人事件」は、特殊な屋敷の構造と、首狩り武者という伝説が事件に絡み合う作品です。改めて読み返してみると、トリックだけでなく、合わせ扉の間の構造誰がいつ、どこにいたのか誰がどの情報を知っていたのか美雪がさらわれた場面首狩り武者の足跡剣持のオッサンの推理巽龍之介をめぐる人間関係400年前の柊兼春の伝説巽家の屋敷に隠された仕掛けそして登場人物たちの過去など、細かく見ていくほど気になる部分が出てきます。また、漫画のコマの外にまでツッコミが入っていたり、封筒や人物の表情に遊び心のある文字が入っていたりと、事件以外の部分にも作者の遊び心が感じられる作品でした。そして個人的には、剣持のオッサンと紫乃の「幼馴染」という関係も、改めて考えるとかなり気になります。『金田一37歳の事件簿』で明らかになった現在の年齢から逆算すると、2人がどの時期に、どのように知り合ったのか。こうした過去と現在をつなげて読み返せるのも、長く続いている金田一シリーズならではの面白さだと思います。「飛騨からくり屋敷」は、単に「首狩り武者が出てくる事件」として読むだけでなく、屋敷の構造、人間関係、過去の出来事、そして細かな描写まで拾いながら読み返すと、さらに味わい深くなる事件だと感じました。%3Ciframe%20width%3D%221280%22%20height%3D%22720%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FpqoTCM8yMIA%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%22%20allowfullscreen%3E%3C%2Fiframe%3E