金田一シリーズの事件ごとの感想動画。今回ピックアップするのは、コチラです!「雪霊伝説」【1】作品のあらすじある日の学校帰り、帰宅した金田一くんの目に飛び込んできたのは、自宅前に止まっていた高級車。乗っていたのは、ある理由から顔に仮面をつけていた弁護士・黒沼茂樹(くろぬま・しげき)でした。黒沼が金田一くんに持ちかけたのは「1億円以上の遺産相続の可能性」という、まったく心当たりのない話でした。詳しく聞いてみると、それは以前にある場所で出会った資産家・氷垣岳史(ひがき・たけし)に、登山道でのアドバイスをしたことが理由だというのです。後日、指定された氷壁岳(ひょうへきだけ)の「雪陵山荘」という場所で2泊3日の親睦会に参加した金田一くんや美雪ちゃん、剣持のオッサンが出会ったのは、何やら訳ありな登山経験者ばかりでした。【2】事件の主なポイント(ポイント1)密室から消えた人第1の事件は、初日の夕食の頃に発生していました。すでに2時間以上も姿を見せていない人物がいましたが、外は吹雪で出られるはずもなく、「そのうち顔を出すだろう」とあまり気に留める人もいなかったのです。しかし、夕食から一時間半ほど経った頃、「いよいよおかしい」ということになり、第1の被害者の部屋を訪れると、金田一くんが灯油を届けた時とは違い、ドアから外の冷気が吹き付けていました。さらに、金田一くんや剣持のオッサンが少し前に入った時とは明らかに違うベッドの上で、シーツを取ってみるとすでに事件が発生していたのです。部屋の位置関係的には、夕食をとっていた場所から見える位置にあり、出入りがあれば最もわかりやすい部屋でした。しかも、窓には鉄格子が入っていて、人が顔を出すのが精一杯の状態。つまり、第1の事件は「密室状態」で発生したと考えられるのです。第1の事件のポイントは、各部屋に割り振られていたストーブの灯油タンクでした。それぞれの部屋で灯油がなくなった場合、管理人の耶麻田に申し出て補充してもらうことになっており、実際に雪霊伝説のストーリー中でも補充を希望するキャラクターが何名かいました。金田一くんは、その描写から第1の被害者の部屋の灯油に関する「ある違和感」の正体に気づくことになります。また、登山家の比良木が話していたのは、第1の被害者が発見された時の状態が「ガチガチ」だったということでした。山に詳しい比良木でさえ、マイナス15度程度ではあり得ないというほどの状況が、どのようにして作り出されたのかが大きな謎でした。雪霊伝説の事件では、この第1の事件の謎をどう解くかが重要だと言えるでしょう。さらに、1日目の夜に美雪ちゃんが耳にした「謎の音」は、雪霊の叫ぶ声ではなく、真相編で明らかになる驚愕の事実を示していました。そして迎えた2日目の朝。剣持のオッサンが寝ずの番をしていたにもかかわらず、第1の被害者が消えてしまったことで、雪霊伝説の事件は一層深い謎を抱えることになったのです。(ポイント2)別のルールと現れた幽霊第3の事件は、金田一くんたちが事件の動機につながりそうな共通事項、いわゆる「ミッシング・リング」の話をしている頃に発生しました。まさにそのミッシング・リングに気づいた人物がいたのですが、残念ながら第3の被害者となってしまいました。第3の事件のポイントは、少し抽象的な言い方になってしまいますが、「誰が誰を、どんな人物だと思っていたか」という点だと思います。そして、だからこそ第3の被害者が最後に携帯の録音機能に残した、「うわあああ!!ゆ…幽霊!!」(金田一少年の事件簿「雪霊伝説●人事件」より)というセリフも意味を持ってくるのではないでしょうか?第3の被害者にとって、果たして「幽霊」とは誰のことだったのでしょうか。しかも、さらに事態を混乱させたのは、第3の事件前に手紙を残して「脱落する」と言っていた人物が、再び雪霊山荘に戻ってきたことでした。このとき金田一くんも、その人物に対してストレートな疑問をぶつけるしかありませんでした。結局、金田一くんが第3の事件のタイミングで披露した推理は一度ハズレてしまいます。けれども着眼点というか、本質的な部分としては疑いの余地があるものだったのかもしれません。そして犯人を決定づけるヒントになったのが、金田一くんが美雪ちゃんや月枝たちと一緒に遊んでいたトランプに関する描写でした。金田一くんは自分の認識で七並べをやっていましたが、相島たちいわく「そんなルールは知らない」「お前だけ別のルール」とのこと。では、雪霊伝説の事件で誰の何が「別のルール」に該当するのでしょうか。美雪ちゃんが出して見せた「ジョーカー」に該当する人物とは、犯人のことだったのでしょうか。それとも、別の誰かのことだったのでしょうか…。(ポイント3)最後のメッセージが示すもの第4の事件は、これまでに3つの事件が発生していたにもかかわらず、危機感を一切持っていなかった「ある人物」の身に降りかかりました。第4の事件のポイントは、被害者の残したダイイングメッセージです。第4の事件現場の状況から、いったい何を読み取ることができるのでしょうか。そして、それらの状況や情報から、どんな内容を読み解けるのでしょうか。このダイイングメッセージによって、どうやら金田一くんは犯人の目星をつけることができたようです。【3】事件のキーパーソン雪霊伝説のキーパーソンを1人挙げるとしたら、それは堂崎次生(どうざき・つぐお)です。ここで重要なのは「堂崎一志(かずし)・次生(つぐお)の兄弟」という組み合わせではなく、あくまで次生だけであるという点です。ミステリーにおいて「双子」という存在は重要な要素になることが多いですが、なぜ次生だけがキーパーソンとなるのでしょうか。それは、金田一くんが後に堂崎兄弟の「ある1人」に問いかけた質問が意味するところでもあり、また次生が雪霊伝説の終盤ギリギリまで平然としていられたことにも繋がっているのかも知れません。雪霊伝説の事件において、堂崎兄弟はどんな立ち位置にあったのでしょうか。互いに反発しあう存在でありながらも、ある意味では絶妙な関係を築いていたとも言えるのではないでしょうか。【4】まとめ(感想/残った謎/今後に繋がりそうな話)実は雪霊伝説の感想動画は、もともと半年以上前にシナリオが完成していました。しかもそのシナリオで一度撮影までしていましたが、編集前に読み返してみると「この内容だと、ちょっと違うかな…」と思い、道枝くん主演の金田一ドラマが終わったら改めて書き直そうと考え、ゼロから作り直したのが今回の動画です。ぜひ最後までご視聴いただければと思います。金田一くんの授業中のシーンはこれまでもたくさん描かれてきましたが、雪霊伝説の冒頭もとても面白いものでした。相変わらず堂々と寝ていた金田一くんが、数学教師の「ノモッツァン」から黒板消しを投げられたり、下校中のシーンで美雪ちゃんと並んで歩いていた時に「ヘアスタイルだいなしよ!!」と吹き出しの外で言っていたのが印象的でした。また、冒頭で金田一くんの夢の中に登場してアドバイスを与えてきたのは佐木1号こと佐木竜太くんでした。過去の事件と比較する場合、同じように冒頭で佐木1号が登場した「金田一少年の●人」がまず思い浮かびますが、雪霊伝説と直接的な類似点はあまり多くは見つかりません。しいて挙げるとすれば「大金が動く可能性」という点で、橘の原稿料が絡んだ「金田一少年の●人」と、氷垣の遺産が関わった雪霊伝説とで共通しているくらいです。雪霊伝説と他の事件との共通点を考えるならば、注目すべきは「金田一くんの放浪の旅」です。自転車での放浪のきっかけは、金田一少年の決死行の後に自宅に届いた「ある手紙」でした。その手紙の示す通りに行動していたなら、金田一くんが氷垣と出会うことも、手紙の差出人である「あの人」にとっては想定内だったのかもしれません。だからといって雪霊伝説そのものまで「あの人」が裏で仕組んでいたとは言えませんが、黒沼の初登場シーンを初見で見た時には「これはあの人の変装じゃないの?」という声が私の周囲でも上がっていました。「あの人とイメージを似せているのかな?」と思わせる描写だったのかもしれません。他にも、窓の中に投げ込まれたという点では雪鬼伝説と共通するイメージがあり、雪だるまの中からという点では雪夜叉伝説とも共通していると考えられます。さらに、雪霊伝説では剣持のオッサンの人となりも描かれました。学生時代に登山をしており、白馬岳や槍ヶ岳なども登った経験があったのです。以前の動画で「速水玲香まとめ」や「いつき陽介まとめ」を作ってみたいと話しましたが、全ての事件の感想動画を作り終えたら「剣持警部まとめ」も作ってみたいと思っています。登場人物の細かい描写については、ここでは少しずつ取り上げるにとどめ、いずれ個別に深掘りしていきたいと考えています。例えば、音羽大学の山岳部だという女子大生・月枝麻央(つきえだ・まお)は、金田一くんの姿を見るや、他にも参加者たちが同時に入ってきたのに「こんにちは~はじめまして!キミが金田一君?」(金田一少年の事件簿「雪陵伝説●人事件」より)と言っていいました。この描写からすると、月枝は少し前から「金田一くん」という人物がやって来ることを分かっていて、心待ちにしていた可能性があるのではないでしょうか。特に気になるのは、月枝が金田一くんと初めて会ったときの接し方についてです。金田一くんだと認識した瞬間に握手を求めたのですが、この描写が別の事件で登場した「ある女性キャラ」の初対面シーンとよく似ているなと以前から感じていました。このあたりの深掘りはまた別の機会に触れたいと思います。ただし、月枝の社交的な性格はもともとのものという可能性もありますし、さらには「月枝と相島がカップルになっていたりして?」と妄想した人もいたのではないでしょうか。地元の高校生で、金田一くんの1歳年上にあたる相島豪太(あいじま・ごうた)は、初登場シーンではジャージ姿でした。このジャージの胸元に描かれていた「見たことがあるような、無いようなロゴ」が絶妙で、あくまで漫画ならではの演出として受け止めるのが良さそうです。登山家の比良木麓郎(ひらき・ろくろう)は、登山家でありながら本やエッセイも出版している人物でした。そうなると気になるのは「他の事件に登場した登山キャラとの繋がり」です。金田一くんの場合、数々の事件を解決してきた実績から、例えば蝋人形城の当麻や魔犬の森の五十嵐といった人物にはすでに顔と名前を覚えられていました。同じように、雪霊伝説の比良木も、シリーズのどこかに登場した登山好きキャラにとっては知られた存在だったのかもしれません。では、金田一シリーズにおける登山キャラといえば具体的に誰が思い浮かぶでしょうか。また、雪霊伝説では美雪ちゃんが穏やかに金田一くんへツッコミを入れたり、冷静に笑いを誘おうとしていた場面も印象的でした。例えば金田一くんが「1億÷2で5000万だ」といった趣旨の発言をしたときの美雪ちゃんの反応が、その代表的な例だと言えるでしょう。あるいは、夜に寝ているシーンでの、「はじめちゃんのところで寝るのも違う意味でキケンだし…」(金田一少年の事件簿「雪霊伝説●人事件」より)というセリフでの真面目な表情とのギャップだとか。第2の事件は、第1の被害者が消えてしまったことを、それぞれに報告しに行く段階で起こったと言えます。第2の事件のポイントは、「誰が誰に、どのように伝えたか」という点です。ある人には直接伝えたり、別の人には別の形式で伝えたりと、伝え方が異なっていました。ともかく、起こってしまった出来事をみんなで共有するために、パッと集まれる人だけでもと剣持のオッサンが話し始めたとき、部屋の窓に向かって「あるもの」が投げ込まれました。「外で何が起こったのか」と窓から覗き込むと、すでに第2の事件が発生しており、さらに全員の登山靴がなくなっていることに気づきました。第4の事件に少しだけツッコミどころを見つけるとすれば、マグカップを投げたシーンです。これはマグカップの材質や壁の材質にもよりますが、「マグカップが木の壁に当たって割れる」という状況は、相当強い力で投げるか、木の壁の内側にコンクリートなどさらに硬い材質がある場合でないと、原作で描かれているほどに割れることは難しいでしょう。一般的なマグカップは、ちょっとした衝撃では割れない場合も多いので、あまり真似はしない方が安全です。真相編に関しては、雪霊伝説は他の多くの事件と少し違っていました。具体的には、犯人が「私がやりました」と認める前に、犯人の「心の声」が描かれている点です。これは「金田一37歳の事件簿」における「あやせ」の事件に少し似た構成かもしれません。真相編では、この犯人の、「落ち着け…!(中略)まだ逃れる余地はある」(金田一少年の事件簿「雪霊伝説●人事件」より)といった、心の声が描かれていたのです。つまり、金田一くんたちにはまだ認めていないものの、読者に対しては実質的に認めたように読み解ける描写となっています。雪霊伝説について、これは事件や犯人のネタバレにはならないと思いますが、遺産に関して皆さんに聞きたいことがあります。金田一くんは結局、遺産の1億円以上を得られませんでした。それに関しては、「犯人が復讐の舞台の準備のために使ってしまった」という解釈で良いのでしょうか。金田一くんのお母さんは、豪華な紅茶やお菓子を用意し、美容にも気合を入れて待っていましたが、皆さんの解釈はどうでしょう。氷壁岳を降りた後、ラストではいつきさんを金田一くんの家に招き、美雪ちゃんとの3人で動機の調査結果を共有する場面があります。この数ページほどの描写に、いつきさんを登場させたことに意味があるのではないかと考えてしまいます。剣持のオッサンが冒頭から登場しているのだから、「警察が調べたところによると…」という形でもよかったのではないでしょうか。しかし、わざわざいつきさんに協力を仰いだことで、「警察も手が届かない情報を得た」というニュアンスを示す必要があったのかもしれません。ちなみに、氷垣という人物は、金田一くんが自転車で放浪している途中で出会った人物です。そして、その放浪の旅のきっかけを作った手紙の差出人は…?こうした背景もあって、妙に気になってしまいました。