今回取り上げるのは「函館異人館ホテル 新たなる殺人」です!今回の事件で金田一くんと顔を合わせるのが、警視庁捜査一課の幸村(ゆきむら)警視。かつて「異人館ホテル殺人事件」ではオーナーが「雪村剛三」という人物でしたが、同じ「ゆきむら」でも漢字表記が異なるようです。前作「京都美人華道家」のラストでは少し的外れな推理を披露していましたが、状況把握や推理力はなかなかのもの。今回も第一の事件の密室トリックを解き明かしました。被害者の所持品から発見された「函館の舞台チケット」がきっかけで、函館に到着していた金田一くんとまりんちゃんが事件に巻き込まれていきます。目的はもちろん、函館異人館ホテルで上演される舞台「箱館ウォーズ」!【1】作品のあらすじ物語は冒頭から事件が発生。「事件本編の動機に繋がる出来事」ではなく、いきなり第一の事件が起こる形です。つまり「異人館村」のような導入ではなく、「獄門塾」のように舞台に移動する前に最初の事件が発生するパターン。20年ぶりに函館異人館ホテルを訪れた金田一くん。そこで再会するのは、フリーライターのいつき陽介、そして親友の佐木竜二。ただし佐木家にとっては因縁深い場所。20年前、兄の佐木竜太がこのホテルの事件に巻き込まれて亡くなっており、金田一くんも強い不安を抱いていました。【2】主な登場人物リュウ小野寺 … 歌手海枝博貴(52) … 演出家・監督岡倉純(30) … 元スカイウォーカー中上聖也(28) … 元スカイウォーカー水島颯太(26) … デスペラード赤座光輝(26) … デスペラード五代玄一郎(24) … デスペラード壇はるみ(32) … マネージャー綾野木ルカ(25) … 女優最上翔太(32) … 俳優刈谷ユダ(40) … 俳優幸村真之助(27) … 警視庁捜査一課警視【3】事件の主なポイント(1)デスペラードのメンバーと舞台「箱館ウォーズ」「箱館ウォーズ」は史実とは無関係のパラレルワールド的な創作劇。劇中で使われる武器もモデルガンなどスタイリッシュな演出で、これが犯人の誘導にも繋がります。主要キャストには元「スカイウォーカー」の岡倉・中上、人気アイドルグループ「デスペラード」の水島・赤座・五代にマネージャーの壇。さらに綾野木ルカ、最上翔太、刈谷ユダらが名を連ねます。また、冒頭の第一の事件の被害者も元デスペラードのメンバーで、過去に因縁を抱えていたことを示唆しています。(2)二度起こった“事故”と岡倉の離脱序盤、歌手リュウ小野寺が犠牲となり「第1の事件」が発生。その直後、岡倉がプロデューサーとの打ち合わせのため一時離脱しますが、実はこれが犯人の罠。テレビ局に確認すると「アポを入れた覚えはない」と発覚。この偽アポによって生じた時間差と食い違いが、事件解決の大きなカギとなっていきます。さらに第2・第3の事件が続発。幸村警視はアリバイ確認を行いますが、金田一くんは「撃たれ方」の違いに不自然さを見抜きました。(3)空中密室の謎第4の事件は、被害者がワイヤーで宙吊りにされた状態で発見されるという衝撃的なもの。凶器は舞台上に残され、まるで自ら幕引きを図ったかのような演出でした。しかし金田一くんが注目したのは「控室に残された温かいコーヒー」と「未使用のカップ」。さらに衣装とメール内容の矛盾点に気づき、「空中密室」のトリックを見破っていきます。【4】事件のキーパーソン今回の事件の裏で存在感を放ったのは俳優の刈谷ユダ。今後のストーリーでも重要人物になるのかもしれません。【5】感想・残された謎舞台脚本は覆面作家「三多村匠」によるもの。名前から一瞬「速水玲香誘拐事件」に登場した人物を連想しますが、字が異なるため関係は不明。まりんちゃんのプロフィールも新たに判明。学生時代に演劇サークル所属で、台本修正にまで関わるほどの経験者でした。犯人の呼称は「碧血鬼(へきけつき)」。函館の伝承「碧血碑」ともリンクしており、不気味な雰囲気を演出。クライマックスでは高遠の影もちらつき、シリーズ全体に繋がる重要な事件であることが示唆されています。特に印象的だったのは、いつきと佐木が金田一を評したセリフ。「あいつガキの頃と変わってねぇな こーゆーとこ!」「ですね…!」(金田一37歳の事件簿「函館異人館ホテル 新たなる殺人」より)37歳になっても変わらぬ金田一の姿を感じさせ、ファンにとって胸が熱くなる演出でした。